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「納棺夫日記」を読んで

映画「おくりびと」がアカデミー外国語映画賞を受賞しました。

この映画の原作「納棺夫日記」は、経営していた飲食店の倒産を機に葬儀会社に入社して「死者を扱う仕事」に携わることになった青木新門さんが、自らの日記を基に書き起こした本です。


当初は、親戚や妻から「そんな仕事はやめろ」と蔑まれていた青木さんですが、日々数多くの死と向き合う中で、人の生と死について深く考えるようになり、膨大な書物を読み、それを自らの体験と重ね合わせる中で独自の死生観を構築します。

「納棺夫日記」に書かれた青木さんの死生観は、とても優しいまなざしに満ちたものであるように感じられます。

この本を読み、青木さんの優しいまなざしにあふれた死生観に触れると、思わず姿勢を正したくなるのです。

古来、数多くの人が「死と向き合うことで生が分かる」という意味の言葉を遺しています。

孔子が言ったとされる「志士は溝壑(こうがく)に在るを忘れず」という言葉もその一つ。

様々な解釈もあるようですが、「人間とは明日殺されて溝にころがっているかも知れない存在である。だからこそ志ある者は死がいつあるかも知れないことを忘れずに、今を大切にして生命を燃やし尽くすことが大切なのだ」という解釈を私は採用しています。

日々、死と向き合った人だからこそ分かる境地が「納棺夫日記」には書かれています。

話題の「おくりびと」の原作でもありますから、機会があればぜひ読んでみてください。

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