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就活と婚活は消費者的態度からの脱却こそ

物心ついた頃から、テレビや新聞・雑誌などを通して「これでもか」と言うくらい商品広告を浴び続けてきた我々は、あまりにも日常的にどっぷりと商品広告に漬かってきたせいで、生き方まで消費者的な構えになってしまったのではないでしょうか。

高校教師をしている友人が新しい生徒を迎えるたびに嘆くのは、教科書にないことを教えようとすると「それを覚えたら何か得になるの?」とか「それって受験に役立つの?」と生徒たちが聞いてくることです。

自分が知らなかったことを会得する喜びや新しい知識を得ることで外の世界へとつながっていく喜び・・・そういう学問本来の喜びにではなく「勉強すれば何かと交換可能で、それが得になるかどうか」に関心がある。まさに消費者的態度で学問を捉えようとする子供を友人は嘆いているのですが、思い返せば私自身も「勉強したらいい学校に入れる」とか「いい学校に入ったら***できる」と言った「交換のフレーズ」をいつも周囲から聞かされてきたように思います。

既に私の親の代から、消費者的態度が植え付けられていたのですね。

社会人になっても消費者的態度は強まるばかりです。


例えば「その人の消費生活で相手を判断する」ことも、そうした証でしょう。

ある人を話題にする時に「あの人はベンツに乗っている」「あの人は大きな家に住んでいる」等々、その人の消費生活(すなわちお金があるかないか)を中心にして人を判断していることって結構ありますよね。

お金の有無は人を判断する一つの側面ではあっても、人柄や知性といった人格を評価する要素はもっと別のところにあるはずですが、我々は消費生活(金のあるなし)で人を評価することが、あまりにも多くなりすぎているように思います。

最近ではネットなど情報入手手段が豊富になったことで、自分にとってベスト(?)な商品選択肢をいくらでも簡単に探せるようになりました。

「もっといいものがないか」「もっとお得なものがないか」・・・というわけですが、これって「どこかに自分にぴったりと合った仕事がないか」「どこかに自分と最高の相性を持つ相手がいないか」というフレーズと重なるような気がします。


昨今、話題に上ることの多い「就活」と「婚活」にも、消費者的態度は大きく影響しているのです。

考えてみれば、就活や婚活をビジネスの種にしている企業が数多くありますし、そういう企業は広告もするわけですから、メディアが消費者的態度に働きかけるような捉え方をするのは自然でもあります。

しかしながら、多少なりとも人生経験のある人ならばお分かりになるでしょうが、仕事や結婚において青い鳥なんてものはまず存在しません。

仕事の場においては、どのような状況下でどのような人とチームを組まされても良好なコミュニケーションが取れて、相手の潜在能力を引き出して、チームとして高いパフォーマンスを発揮できる人間が「仕事ができる人」であることに、良識ある企業人なら同意頂けると思います。

「こんな会社では・・・こんな上司や同僚では・・・自分の本当の能力も『自分らしさ』も発揮できない」と不満を持ち、「どこかに私の能力が全面開花する理想の職場があるに違いない」と思って離職転職を重ねる人間に仕事のできる人がいたためしはありません。

結婚だって同じではないでしょうか。

消費者がカタログを見て決めるように、「顔やスタイル・学歴・収入・・・」という(自分が求める)条件を全てクリアしたからといって、結婚生活が幸せになるかどうかが決まるわけではないのです。

仕事も結婚も、相手を選択すること以上に、その後自分がどのように相手に関わっていくかによって成否が決まる。そういうものです。

倒産や破産から復活した経営者に共通しているのは「まだ自分自身が残っている」と思える「自分の可能性に対する揺るぎない自信」であると聞いたことがあります。

「どんな状況になっても、もう一度自分は成功してみせる」という強い気持ちには、「次はいい会社に入るぞ」などという「幻想」はありません。

会社なんかなくても(現に失くしたわけですが)、どんな状況が到来しても、自分の力で何とかしてやる、という強い気持ち。
私は、こういう気持ちこそが生き方を根源的なところで支えるのだと思っています。

「どんな会社に入っても・どんな相手と結婚しても自分は幸福になってみせる」というゆるがぬ決断を持つことの方が、「会社選び・相手選び」に汲々とすることよりもはるかに重要なことではないのでしょうか。

小さな頃から消費者的態度がしみついている我々にとって、「選択する」ことが最大の関心事であり、「選択した後こそが重要」というフレーズは、ともすればメディアの声にかき消えてしまうのですが、就職・結婚こそメディアに踊らされてはいけません。

だまされたと思って、おじさんの言うことにも耳を傾けてほしいですね。

選択することに力を入れるよりも・・・
自分自身の潜在可能性を信じて、潜在可能性を磨くことに、もっと力を注ぎましょう!

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